2025年12月19日
時を継ぐお正月料理 山形の郷土料理

もうすぐお正月ですね!🎍
おせち料理を作る準備や、どんな料理を食べるか
悩んでいらっしゃるのではないでしょうか?
そもそもおせちって何…
季節の節目、新年に神様へのお供物として作られ、
家族の健康と繁栄を願って縁起の良い料理の事
おばあちゃんや、おかあさんが作ってくれた料理をなんだか懐かしく
食べたくなったりしませんか?
昔は、全部手作りで、餅をついたり、煮物をしたりと、
忙しいそうにしていた姿を見ていましたが、
今は便利で、すぐに食べられるものが増えて、
時間をかけなくて良くなりましたよね
自分で作るのは大変だけど、やっぱりお正月だから、
昔から食べていた料理を食べないとと思うのは私だけでしょうか
今回は山形のお正月で食べる代表的な5品をご紹介したいと思います。
1品目 必ず作る数の子豆
数の子:子孫繁栄 (大豆・青豆):まめに暮らす

・作り方の手順
① 豆を戻す・茹でる
- 青大豆をきれいに洗い、たっぷりの水に一晩(8〜12時間)浸して戻します。
- 戻し汁ごと鍋に入れ、火にかけます。沸騰したらアクを取り除き、弱火で豆の生臭さが抜けるまで茹でます。(少し歯ごたえが残るくらいが美味しいです)
茹ですぎ注意! - 茹で上がったらザルに上げ、お湯を切ります。
② 数の子の準備
- 塩数の子の場合は、薄い塩水に半日〜1日浸して塩抜きをし、表面の薄皮をきれいに取り除きます。(味付け数の子を使う場合はそのまま次へ)
- 豆と同じくらいの大きさ(1.5cm〜2cm角)に手でちぎるか、包丁で切ります
③合わせる
- 茹でた豆と切った数の子を入れ「うまいたれ」を入れて味を調整する
- 冷蔵庫で半日〜一晩おけば、味が馴染んで完成です!
2品目は鯉のやわらか煮
「立身出世」と「成功」の象徴 「薬用魚」としての健康長寿

「鯉(こい)のやわらか煮」は、山形県米沢地方などの伝統的な郷土料理です。「鯉の甘煮(うま煮)」を、さらに現代風に食べやすく進化させた一品です。
「骨まで食べられるほどの柔らかさ」
主な特徴
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骨まで食べられる食感 通常の甘煮は、太い骨などは取り除いて食べますが、やわらか煮は特注の加圧窯で長時間じっくりと煮込まれています。そのため、小骨はもちろん、背骨まで口の中でほろりと崩れるほど柔らかいのが最大の特徴です。
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まるごと味わえる「一匹の栄養」内臓(卵や肝)や皮、そして骨もすべてそのまま食べられます。特に、骨を丸ごと摂取できるためカルシウムが非常に豊富(牛乳の約10倍と言われることもあります)で、成長期の子どもや高齢者にも適しています。
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臭みのない深い味わい 清冽な地下水で「活き締め」にされた鯉を使用し、代々受け継がれた秘伝のタレ(醤油、砂糖、酒など)で煮上げられます。川魚特有の泥臭さがなく、濃厚なコクと甘みが身の奥まで染み込んでいます。
鯉のやわらか煮はこちらから
3品目は棒だら煮
鱈福(たらふく)食べられる

一年間、食べ物に困ることなく、お腹いっぱい幸せに暮らせるようにという願いが込められています。
貴重なタンパク源(保存食)としての役割
棒だらは、真鱈を数ヶ月間カチカチになるまで天日干しにした保存食です。
- 物流の歴史:江戸時代、北海道や東北で獲れた鱈を北前船(きたまえぶね)で関西へ運びました。当時は生魚の輸送が難しかったため、乾燥させて日持ちさせる棒だらは、内陸の京都や雪深い地域(山形など)において、お正月の特別なご馳走として重宝されました。
- 手間暇をかける:棒だらは調理に数日かけて水で戻す必要があります。その「手間暇をかけて準備する」こと自体が、お正月を大切に迎える姿勢の表れでもあります。
山形県など:内陸部では、冬の貴重な栄養源として「棒だら煮」が欠かせない正月料理の一品となっています。
棒だら煮はこちらから
4品目はくるみ
「家庭円満」や「実り(豊作)」
1. 家庭円満の象徴
くるみの最大の特徴である「非常に硬い殻」が、外敵や災いから中身を守っているように見えることから、「家庭をしっかりと守る」「家族の絆を固く結ぶ」という、家庭円満の象徴とされています。
2. 豊かな実り(豊作)の祈願
くるみは一つの木にたくさんの実をつけるため、「実り多い一年になるように」という五穀豊穣の願いが込められています。おせち料理では、小魚の「田作り(たづくり)」と一緒に和えて「田作りくるみ」として食べられることが多いですが、これも「田を作る(=豊作)」という意味をより強める組み合わせとされています。
3. 知恵や健康への願い
くるみの実の形が人間の脳に似ていることから、古くから「頭が良くなる」「知恵がつく」食べ物として尊ばれてきました。また、栄養価が非常に高いため、新しい一年の「健康長寿」を願う意味も含まれています。
国内産手むきくるみはこちらから
くるみ寒天の作り方
5品目は昆布巻(米沢牛昆布巻)
「よろこぶ」・「子孫繁栄」・「養老昆布(よろこぶ)」で不老長寿

1. 「よろこぶ」の語呂合わせ
一番有名な理由は、昆布(こんぶ)が「よろこぶ(喜ぶ)」に通じるという語呂合わせです。 古くは「広布(ひろめ)」とも呼ばれ、喜びが広がるという縁起を担いでいます。お祝いの席には欠かせない、ハッピーな意味を持つ食材です。
2. 「子孫繁栄」の願い
昆布は繁殖力が強いことから、「子生(こぶ)」という字を当てて、子宝に恵まれることや子孫繁栄を願う意味があります。家族が長く続いていくようにという祈りが込められています。
3. 「養老昆布(よろこぶ)」で不老長寿
昆布を「養老昆布」と書いて「よろこぶ」と読ませることもあります。ここから、元気で長生きできるようにという「不老長寿」の願いが込められています。
米沢牛昆布巻はこちらから
【KKY-TD1】しぐれ煮・すじごぼう煮・昆布巻きはこちらから
5品とも地味な食材ですが、大切な意味が込められ、引き継がれているお正月の料理です。是非、お召し上がりください。
